相談事例5 (豊中市在住の方からのご相談)結婚後に全額住宅ローンを組んで購入した自宅不動産があるが、夫名義になっている(住宅ローンは完済)。私(妻)は専業主婦であったため、住宅ローンの返済は夫の給料から支払ってきた。結婚後、私(妻)は夫と同居して家事・育児全般を担ってきたが、この不動産は財産分与の対象となるか?
婚姻中に、夫婦の協力によって形成された財産は、その名義にかかわらず財産分与の対象となります。
ここでいう「夫婦の協力」には、財産の取得資金を自分名義の財産から支出した場合だけでなく、家事労働によって財産の取得に寄与したような場合も含まれます。
そのため、夫の給料で不動産を購入して夫名義にした場合でも、妻が主婦として家事労働に従事してその取得に寄与していれば、当該不動産は夫婦の協力によって形成された財産といえますので、財産分与の対象となります。
本件の場合、あなた(妻)は専業主婦として家事・育児の全般を担ってきたということですので、あなた(妻)の家事労働によって夫の生活・仕事を支え、その結果夫も結婚後の収入を得られた(給料を住宅ローンの返済に充てることができた)と考えられます。
そのため、自宅不動産の取得にあなた(妻)の寄与もあったと考えられますので、自宅不動産は財産分与の対象になるでしょう。
寺尾 浩(てらお ひろし)
平成4年3月 一橋大学法学部卒業
平成9年 司法試験合格(52期)
離婚交渉は当事者にとって精神的につらい作業です。
また離婚は、過去を断ち切って新たな人生の一歩を踏み出す行為ですから、いつまでも過去(離婚交渉)に時間をとられるのは両当事者にとって得策ではありません。そのため、私は離婚問題を早期に解決することを重視しています。
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